宅建の勉強法およびテキスト

勉強法-予備校は不要です

 宅建は、法律系資格の中でも取りやすい資格です。知識に深入りせず、いかに効率よく勉強するかが鍵です。


 範囲は、一見すると、民法、借地借家法、都市計画法、建築基準法、宅建業法、農地法など、広い様に感じますが、実はそうではありません。どの分野も基本的な知識しか問われないため、過去問を中心に覚えるべき論点を絞って勉強することにより、実際の試験範囲は相当狭くなります。内容も易しいため、1ケ月で合格するのも決して難しくはありません。市販のメインテキストはフォントも大きく、500頁程度が中心です。
 予備校の講座もありますが、独学でも十分に合格が可能です。何故ならテキストの項目でご紹介しますが、市販用テキストの中に非常に優れたテキストがあり、これと過去問題集で十分合格レベルに達するからです。


 勉強方法は、過去問題集を解くことが基本です。法律的な知識が全く0であれば、当初はテキストを読み、ある程度の基礎学力をつけてから問題に取り組むことをお勧めします。仮に、テキストを、例えば3回通読したとしても、3週間もあれば読み終えると思います。
 ある程度民法の知識があるのであれば、その他の、借地借家法、農地法、都市計画法等のみをテキストで勉強し、過去問に取り掛かってもよいでしょう。この場合、テキストは1週間もあれば3回ほど通読できると思います。


 過去問集は、書店に行けばたくさん見つけることができます。特にお勧めはありません。正直なところどれも過去問を集めただけですから、どれを使っても同じです。
 過去問中心の勉強が効率的になるのは、宅建の場合、問題化できる内容は試験の設定難易度、範囲から限られており、すでにどの論点も過去に出題し尽くされていることが理由です。そのため、テキストを読込み、理解度を高めるよりも、曖昧な理解でも過去問を解いて実際の問題形式を覚えながら知識を習得する方が効率的なのです。
 過去問で不明な点があれば、テキストに戻り、また問題を解く。この繰り返しで試験に合格可能です。


 宅建の場合は、合格不合格を決めるのは、能力の有無ではなく、勉強をしたかしないか、努力したかしないかです。例えば、1ヶ月毎日確実に3時間勉強すれば、確実に合格できる試験です。社会人の場合は、なかなか1日3時間の勉強時間を取ることが難しいことも想定されますが、2か月程度準備すれば、合格に必要な学力に達すると思われます。
 予備校は全く不要です。長期に渡る受験勉強も必要なく、高難度の資格に比べ予備校の効率的な勉強の優位性は少ないと考えます。あえて予備校に行かれるのであれば、10万弱程度の講座で十分でしょう。

テキスト‐分かりやすいテキストを選びましょう

 過去問集は、書店で好きな物を選べば良いでしょう。前述の通りどれを使っても大差ありません。
 メインテキストについては、初学者・上級者(民法の勉強不要の方)限定ですが、下記のテキスト一択です。

 

らくらく宅建塾(宅建学院)


 宅建の試験範囲のメインである民法は、こと宅建試験に限って言えば、何故そうなるのかよりも単純暗記が効果的です。複雑な判例等の理解は一切不要です。本書は試験に必要な知識をいかに簡単に覚えられるかに特化しており、初学者でもゴロ合わせ等で簡単に必要な勉強が可能です。
 なお、中級者(ある程度民法を知っているが、一応再度勉強したいと感じている方)には本書をお勧めしません。なぜなら、本書は初学者用に記憶しやすさに特化しているため、通常の民法テキストの記載とは一線を画しています(ゴロ合わせ重視等)。そのため、むしろ通常の民法テキストとはあまりにも異なるため、一般的な民法のテキストに慣れ親しんだ方にとって、反対に記憶を疎外する可能性もあります。
 私は5年ほど前に本書を使用して宅建に合格しました。しかし、現状司法書士等の勉強を経由して、再度本書で民法のページを見ると、今は反対に見にくく感じます。同様にある程度民法を勉強した人にとっては、むしろ通常のテキストの様に箇条書きで論点を記載してくれた方が分かりやすいこともあるからです。
 民法の勉強はそもそも不要という上級者の方にも、本書はお勧めです。民法以外の法令についても、非常に分かりやすく記載がされています。