使用した教材(行政書士)

行政書士試験のテキスト

 行政書士のテキストは非常に多く出版されています。宅建に匹敵するほどです。これは、行政書士試験がそこまで高度ではないため、ある程度の法令等の造詣があれば、出版社にとってテキストを作成することは難しくないからと予想されます。しかも資格の中でも売れる数はトップクラスだと思われます。
 しかし、それ故に、内容的に優れているとは言い難いテキストも散乱しているのが現状です。受験される方は、以下に気を付けて、良質のテキストを選択して下さい。

テキスト選択の際に注意すること

  • 理解できる内容となっているかどうか
  • 総合参考書の場合、1冊で合格に必要な知識が確実に網羅可能かどうか。1冊でカバーできないのであれば、総合参考書になりえません。
  • 「〇〇年連続売上1位」「本試験においてズバリ的中」などの文言に惑わされない。

行政書士試験の参考書において、非常に多く見られるのがこれらの売り文句です。このような上辺の謳い文句に惑わされないようにしてください。ちなみに、私でも本試験において何肢かは的中させる自信はあります。もともと範囲的にそこまで広くない試験ですから、そのような文言は実は意味をなしません。むしろ、しっかりと記憶を補完し、また理解を助けてくれる問題集を選んでください。


 以下は私が使用(又は購入)した教材です。


『出る順行政書士合格基本書/LEC』
 予備校の市販書です。市販書では最高の市販書と私は考えます。私はこれをメインテキストとして使用しました。民法、会社法、憲法については司法書士の勉強を並行していたため、深くは目を通していませんが、後日通読した限りでは、十分本試験に対応できる内容と判断致しました。行政法についても、もちろん同様にこれ1冊で本試験に十分対応可能です。唯一、一般知識については、若干情報量が不足している感があります。この点は他の一般知識専門の参考所で補うと良いでしょう。


『行政書士基礎テキスト 一般知識編/ダイエックス(大栄)』
 一般知識専門のテキストです。初学者のためのテキストと謳っていますが、中上級者であっても十分使用可能です。何故なら、一般知識の勉強は広げすぎないことが適切ですが、本書に加え、メインテキスト上の一般知識の論点を勉強すれば、試験対策としては必要十分だからです。
 これ以上の知識を吸収しようとしても、必ずしも点に結び付くとは限りません。内容は、見やすく分かりやすく、非常にお勧めできます。一般知識として出題される可能性のある基本論点は網羅しています。

 追記(2021年) どうやらこの書籍は最近発行されていないようです。行政書士の一般知識用書籍というのは数が少なく貴重だったんですが、残念です。


『アドヴァンス行政書士過去問シリーズ(一般知識、行政法、憲法・基礎法学のみ使用)/Wセミナー』
 2013版より名称が「ハイレベル過去問演習」に変更となったようです。私がやった過去問および問題集はこのシリーズのみです。行政書士試験において、最も有名な過去問題集です。必要な問題集としては、本シリーズで十分と思います。

 追記(2021年)こちらの書籍も名称が変更されているようです、後継書がどれか分かりませんが、下記の書籍が同じ出版元です。



『ドンドン解ける 行政書士合格テキスト/成美堂出版』
 初学者用です。私はこのテキストを最初に買ったのですが、すぐにLECのテキストに切り替えました。お勧めできません。「4年連続売上No1シリーズ」と謳っておりますが、絶対的な情報量が不足しており、あくまでも本当の初学者向けです。


『ADVANCE 行政書士2 行政法/早稲田経営出版』
 行政法専門の市販書です。上級者用です。良書なのですが、初学者は手をだすべきではありません。高確率で挫折します。内容が高度のため、行政法についての基礎を理解した上で読むべき書籍です。例えばメインテキストに記載がない知識を確認あるいは、さらに詳細に各論点について学ぶ必要が生じた場合に用いれば良いでしょう。(但し、2013年版で名称変更があり、それに伴い中身も分かりやすくなっている可能性があります。未確認)

追記(2021年) この書籍も今は出版されていないようです。同じ早稲田経営出版の行政法テキストは以下のものがあるようですが、後継書かどうかは不明です。

追記(2021年) 確認したところ、上記のとおりほとんどの書籍がここ数年にもかかわらず、廃版又は名称が変わっているようです。言い換えれば、LECのテキストは、行政書士試験のテキストの多くが、そうした傾向にあるにも関わらず、継続的に出版されているという事実からも、十分信頼に値する内容だということを示していると思います。