司法書士試験の口述試験

合格画像

最終合格が確定しました

 最終合格が判明しました。あくまでも司法書士として開業しそれでご飯を食べていくのが目的なので、まだ道半ばではありますが、結果待ちの期間が長かったため、少しほっとした気持ちもあります。平成24年に勉強を始めてからもうすぐ2年が経とうとしていますが、何か合格したというのがまだ実感が沸かないのが実情です。


 さて、口述試験について述べたいと思います。


 口述試験はどの程度勉強すればよいのか。
 ネット上には、口述試験で落ちる人はいないという情報が多くあります。私も詳しく調べた訳ではないので分かりませんが、おそらく実際に落ちた人は、試験を受けなかった人を除けばいないのかもしれません。また、筆記試験合格者であれば、確実に答えられるという情報もよく見受けられます。


 今年度の筆記試験合格者数865名(参考:法務省総得点別員数表/リンク切れ)
 今年度の最終合格者数796名(参考:法務省試験最終結果/リンク切れ)


 この差は一体どういうものなのか正直分からないのですが、単に試験を受けていない人が69名もいるのか、あるいは不合格の方がいるのかは不明です。私の表の見方がもし違っている場合は、どなたか教えて頂けると嬉しいです。
 追記:個別の受験番号を見ると、69名の差はないため、私の表の見方が間違っているようでした。筆記試験のみの合格者の数はどこで見るのかがまだちょっと分からないので、分かる方がいらっしゃれば教えて下さい。
 追記2:コメントで教えて下さった方がいました。筆記試験合格者の人数は記載されていないため、管轄毎の合格者を合算するとのことでした。ありがとうございました。


 落ちる人がいないと聞くと、全く勉強することなく受験してもよいと思われる方が多いと思います。私も実は楽勝なんだろうなと思っていました。
 しかし、これは間違いです。確かに試験自体は、一人の試験官によって行われるものではなく、複数の試験官がグループ分けをされた受験生を試験する以上、そこに個々の試験官の主観がどうしても入るため、必ずしも試験の同一性・客観性が100%保持されることは現実的にありえませんから、不合格にしにくいという側面はあると思います。ただし、決して楽勝ではありません。しっかりとした対策、つまり勉強をしていかないと、全く答えられないことも十分ありえると思われます。そうなったときに、落ちるか落ちないは別として、後悔するのは自分自身です。したがって、しっかりとした対策をして試験に臨むことをお勧め致します。
 試験は、東京の場合、2名の試験官によって10分程度行われました。救いの手を必ず出してくれるという情報がありますが、これは運です。全く救いの手を出してくれない試験官もいます。私の場合は、1名の方は、救いの手というよりも、うっかり言い忘れた答えを、補完してくれましたが、もう1名の方は全くそのようなことはありませんでした。2名ともに救いの手を差し伸べてくれないこともあると思われます。
 また早く終わった場合、雑談的な話になる場合があるとの情報もありますが、これも時と場合のようです。私の場合、試験は10分強で終了し、「これで終了です」と言われ、あっさりし過ぎていたため逆に心配になったくらいです。しかし、よく考えれば、試験官も3時間以上継続的に休みなく試験を執り行っているため、正直雑談をする余裕などはないのは当然かもしれません。

 内容自体は、確かに、初歩的なものばかりです。私の場合は、不登法は保存登記について、商登法は予約権についてでした。書士法は、例の「司法書士は常に品位を保持し~」と制度についての1条について問われ、さらに懲戒事由についても訊かれました。
 予約権については、登記事項を問われましたが、問われ方として何個挙げてくださいという問い方ではなくて、分かるだけ挙げて下さいというような方式でした。数個答えた時点で、一瞬間が空いてしまったのですが、「終わりですか?」と言われ少し焦りましたが、その後ほぼ全て一応答えることができました。
 失敗したのは、注意勧告が懲戒事由にあたるかどうか問われた際、「わかりません」と答えてしまったのですが、これは今思えばミスでした。実はLECの事前対策問題集に分からない場合は分からないと答えた方がよいと書いてあり、それに影響されてしまったのですが、そう答えた後、試験官が×を付けているのが見えたのです。
 ちなみに、試験官との距離は1Mくらいですから、試験官が問題後に何か印を付けているのは分かるはずです。正解の場合は、〇と記入しているように見受けられましたので、明らかに違う手の動きを見た時に、自信がなくても懲戒事由にあたると答えておけば良かったと後悔しました。
 事前対策としての時間ですが、筆記試験合格後からでも十分かとは思います。ただし、予備校等で貰える事前対策問題集だけではなく、不登法および商登法についてはテキストを見ておいた方が無難です。細部まで読み込む必要はありませんが、対策問題集だけでは若干不足という印象があります。書士法については、対策問題集でよいでしょう。
 なお、東京や大阪のような大都市での受験の場合、待ち時間が非常に長いので覚悟しておかれる方がよいです。くじ引きで順番を決めるため、運が良ければすぐ終わりますが、運が悪く最後の方の順番になると3時間程度は待たなければなりません。
 早く行くと、早い順番の中でのくじになるとの情報もありましたが、東京の場合、早めに行こうが遅めに行こうが、くじが変わるということはないと見受けられました。

司法書士試験の口述試験” に対して10件のコメントがあります。

  1. 遊々 より:

    @40さん、合格おめでとうございます。
    今年度の本試験の成績やブログの文章から、とても真面目で才能のある方とうかがえます。
    多くの方が勉強法をブログを書かれていますが、僕が受験生の方に一番参考にしてほしいのは@40のブログだと思っています。
    口述試験もちゃんと勉強しておくべきというのは僕もそう思いました。
    試験である以上落とされても文句は言えないですからね(笑)
    同期としてお互い頑張っていきましょう。

  2. YB より:

    得点別員数表には科目別で基準点に達してない人も含まれるから。
    合格おめでとう!

  3. @40 より:

    >遊々さん
    ありがとうございます。
    遊々さんにそういって頂けると特に嬉しく感じます。
    前も遊々さんのブログでコメントさせて頂いたように、ブログ開設前からよく拝見させて頂いており、遊々さんの高い実力に感心しておりました。
    確か、遊々さんはブログで答練の成績と試験の点数は関連しないというようなことを最近述べていたように記憶していますが、私はそうは思いません。
    おそらく遊々さんはご謙遜もあってそのように仰っていると思いますが、遊々さんの答練の推移を拝見する限り、私が言うのもあれですが、遊々さんなら合格していて当り前と感じています。
    今後機会がありましたら、飲みながらでも、一度色々伺いたいなと思っています。
    こちらこそ、同期として宜しお願い致します。

  4. @40 より:

    >YBさん
    コメントありがとうございます。
    やっぱりあの表には基準点未到達者も入っているんですね。
    ただ一つ疑問に思ったのは、累計人数の2177人という数字が何を指すのかがよく分からないのです。
    いずれにしろ、お教え頂いてありがとうございます。

  5. YB より:

    2177人は択一通過で記述された人の人数みたいだね。
    とすると総得点別員数表の人数差は記述の基準点未到達者が入ってるということになるね。
    中途半端なコメントしてごめんね。

  6. @40 より:

    >YBさん
    なるほど!
    合点がいきました。
    確かに、択一基準点に到達し、足切り215.5点を超えていても、記述の点数が足切りに引っかかったということはありえますね。
    いえいえ、理解ができましたので、助かりました。
    ありがとうございます。

  7. アチ より:

    以前の「年内でやるべきこと」で質問しましたアチです。
    返信大変遅れました、申し訳ありません。そして、丁寧なコメント返し本当にありがとうございます。何回も読み返したのですが、体調が回復してやっと消化できそうです。
    論点の抽出方法について抽象化の程度はそれ程高くなくても良い、暗記する時間も考慮した方が良いという内容でした。暗記ツールの作成は控えて暗記する時間を増やした方が良いと指摘する方も多いので、抽象化のやり過ぎには気をつけます。やはり、コメント返しをもらうまでブログ主さんを誤解してたので凄く良かったです(松本講師のように、抽象化の程度が高い方だと思ってたので)。
    年内に方針が固まりつつあるので重ねて御礼申し上げます。私は神奈川在住で東海道線沿いに住んでいるので、自分の合格後(!)直接御礼を言いたいくらいです。
    そして、もう一つ感想を述べさせてもらうと、ここのブログは勉強の具体的な方法が網羅的に書かれている唯一のブログだと思っています。本当は他の受験生に見て欲しくはありません。ただ、コメントの伸びを見れば分かるとおり、良いブログは隠しきれません。改善点があるとすれば、合格後のブログの所在がスマートフォンからPC画面だと分かりにくいところでしょうか。他の方のブログのように一番最初の記事に合格後のブログのアドレスが掲載されると発見しやすいかと思います。
    あと、勉強環境の改善や体調不良時の反発などメンタル面に着目した記事が一本でもあると嬉しいですね(受験生全員を対象としてメンタル面は意図して省かれてると思うし、もちろん全くのボランティアでありメンタル面の省略がここのブログの透明感を示すものだと思っておりますが)。
    最後に、合格後に忙しさでフェードアウトしてしまう受験ブログは凄く多いので、合格後のブログとの行き来のしやすさを高めて欲しいと切に願っております
    寒くなってきたので体調にくれぐれもお気を付けください。

  8. より:

    @40さん、合格おめでとうございます。今年度の筆記試験合格者は794人です。法務省が10月2日に発表した平成25年度司法書士試験筆記試験合格者受験番号には合格者の合計人数が記載されていませんので、各受験地の合格者の人数を数えて合計するのです。

  9. @40 より:

    >Nさん
    コメントありがとうございます。
    794人了解致しました。わざわざ教えて頂きありがとうございます!
    なるほど、各管轄ごとの合格者を合計するのですね。
    とすると、今年は不合格者は0ということになりますね。
    やっぱり、口述試験は落ちない試験だということが、また証明されたことになるのでしょうか。
    私の口述試験を経験した感覚では、794人の筆記試験合格者のうち、1人程度は全く勉強もせずに受験した強者もいるのではないかと思っています。また中には全く答えられなかった人もいるのではないかとも思うのですが、そうであっても受かるのであれば、不思議な感じもします。

  10. @40 より:

    >アチさん
    神奈川の東海道線沿線ですか。私は以前藤沢に住んでいましたよ。もう20年以上前の話ですが。
    ブログ構成について了解致しました。ちょっと色々試してみます。
    環境や健康面についての記事のご要望も了解致しました。ただ、今のところ頭に記事の内容がまだ浮かばないので、皆さんになにか有用な話ができるようになったら記事にしてみます。
    確かに、合格後、時間が経つと、受験ブログの多くは、フェードアウトしがちかもしれません。それはおそらく、書き尽くした感がどうしても出てしまうので、常時記事を掲載するのが難しい事もあると思います。
    私も、実はある程度記事にしたいことは既に出し尽くした感もあります。あまり瑣末なことをダラ~とやってもなぁ、という思いもあったりします。
    でも、アチさんの仰る通り、合格後のブログとの双方向性を出せればそれに越したことはありません。ですから、ちょっと頑張ってみます!
    ただ、アメブロの場合、ブログ変更に制限が異常に多いのが悩みの種なんですよね。
    最後に、お気づかい頂きありがとうございます。

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