イーグルス

ギター

 イーグルスは、私が、人生において最も聴いたバンドです。最近は、なかなか音楽をじっくり聴くことも少なくなっていますが、18~19歳位の時期は、毎日のように聴いていました。

 イーグルスは、アメリカ西海岸を中心に1970年代に盛んとなった所謂ウェストコーストロックに分類されるバンドです。初期のイーグルスは、さわやか系のバンドでしたが、メンバーの加入などで、次第に社会派バンドに変化していきました。シングルでは、「ホテルカリフォルニア」などが有名です。ホテルカリフォルニアが収録されている同名のアルバムではグラミー賞を取ったと記憶しています。

 もちろん、私もリアルタイムに聴いていたわけではなく、様々な洋楽に触れる中で、このバンドを知り、そしてファンになりました。

 私が初めて洋楽を聴いたのは、1983年でした。当時、マイケルジャクソンのスリラーが世界的なヒットとなっており、一度その曲を聴いてみたいと思ったことがきっかけでした。

 当時、私が住んでいた神奈川県のローカルテレビ局であるTVKテレビでは、毎週、ビルボードトップ40という番組を放送しており、当時はまだネットなどない時代でしたので、その番組をとおして洋楽に触れることができたのは幸運でした。

 今でも覚えていますが、最初に見たビルボードトップ40の第1位は、ヴァンヘイレンの「ジャンプ」という曲でした。80年代の特徴でもあるシンセサイザーを用いたイントロが特徴のハードロックです。目当てのスリラーは既に時期が過ぎていましたが、中学生の私にとって、これまで聴いていた日本の歌謡曲とは全く異なる海外の音楽に触れたことはまさに衝撃的な経験でした。

 すっかり、洋楽の魅力にまった私は、80年代のMTVブームなどを経由し、「ベストヒットUSA」なども毎週かかさず見るなど、その後10年以上、かたっぱしから様々な洋楽、主にロックを聴きまくりました。当時は、カセットテープやLP盤からCDに移行する時期で、私もレンタルショップのYou&I(確かエーベックスの社長が若かりし頃にバイトしていたとかなんとからしいです)などで、レコードやカセットをレンタルし、それをTDKやマクセルのカセットテープにダビングし、音楽を楽しんでいました。

 16歳位になってからは、バイトで稼いだお金をほとんど、当時は出たばかりのCDを買うことに費やしました。おそらく数年で100枚程度は購入したと思います。

 そんな中で出会ったのがイーグルスでした。ちょうど1980年代後半からMTVブームも終息しつつあり、いわゆるブリティッシュロック/ポップスに分類されるオアシス、スエード、ブラーなどが出てくる迄は、80年代から90年代への端境期のような時期でもあり、リアルタイムの洋楽にあまり心惹かれるものがなくなったこともあり、少し過去の有名どころを聴いてみようと思ったのです。

 さすがにビートルズは、少し古すぎたため、あまり興味を持ちませんでしたが、70年代のレッドツェッペリン、ディープパープル、クイーンなどのベスト盤を買ったり、初期のジェネシスやピンクフロイドなどもよく聴いていました。

 イーグルスといえば、冒頭に述べた「ホテルカリフォルニア」や「ならず者」、「呪われた夜」などが有名です。特に「ならず者」は、多くのシンガーにカバーされ続けている名曲です。日本のシンガーでも、例えば平井堅、スーパーフライなどもカバーしていますね。

 私が、イーグルスの曲の中で最も好きなのは、実は、こうしたシングルカットされた曲ではなく、アルバム「ホテルカリフォルニア」の最後の曲である「ラストリゾート」という曲です。5分を超える長編曲ですが、18~19歳くらいの頃は、ほぼ毎日聴いていた気がします。

 ヴォーカルのドン・ヘンリーのハスキーな声や後半にかけて盛り上がる曲調ももちろん好みなのですが、それ以上に、当時、衝撃を受けたのは、この曲の歌詞でした。

 「ラストリゾート」は、アメリカの開拓時代を歌った曲です。当時、イギリス等からアメリカ大陸に来た人々は、フロンティアスピリットの名のもとに、先住民を制圧していきました。こうした歴史は、誰でも知っている事実ですが、おそらくそうした事実を、アメリカという国において口にするのは、一種のタブーのようなものではないのかと感じていたところ、それを音楽で表現できる文化に、10代の私は少し畏敬の念のような感情を抱いたのです。

 今の20代や30代の方にとっては、70年代ロック&ポップスというのは、もしかすると、私のビートルズなどに対する印象と同様に、古臭く感じる音楽かもしれませんが、最近では、映画「ボヘミアンラプソディ」などでクイーンが取り上げられましたので、興味を持つ人も増えたのかもしれませんね。

 「ラストリゾート」のように考えさせられる曲も多く、また、メロディーラインも今聴いても十分にキャッチーな曲も多いので、もしよければ聴いてみてください。

 

 

 

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