LEC択一過去問肢集 雑感

過去問肢集

LEC過去問肢集は使えるのか

 私は、予備校以外の問題集として、LECの過去問肢集を用いました。
 参考:使用した教材


 元々、この問題集について記事にすることは考えていたのですが、先日ある方から何故LECの肢集を用いたのかについて質問を受けたこともあり、丁度よい機会なのでここでこの肢集についての感想を述べてみたいとと思います。
 本書を使用した理由ですが、何度かブログで述べてきた通り、予備校を申し込む際の早割特典として、無料で貰ったから使用したというのが実際のところです。ただ、今振り返ってみると、この肢集は私が行ったテキスト中心の勉強においては効果的な問題集であり、本書を用いたのは正解だったと考えています。

 これまでブログ内において、テキストの読込みを中心とした勉強を行ってきたと述べてきました。本試験直近時には3日程度でLEC実践力講座のテキストを全冊読み、記憶を明確化して本試験に臨んだ訳ですが、そのように早いスピードでテキストを読めるようになるまでは、こうした読込み作業というのは非常に時間がかかり、苦労を要するものでした。
 本試験が近づくにつれ、やることは増えていきます。テキストの読込みだけでなく、記述答練、択一答練をこなし、さらにそれらの復習も発生します。それに加えて、市販の問題集を解いていったわけですが、問題集を解くというのも、ご存じの通り、相当な時間がかかるものです。

 ところで、過去問を使う意義は、あくまでもテキストの補完であって、決してメイン教材とはならないことはこれまで申し上げてきた通りです。

過去問の使用目的

  1. 理解度の確認
  2. 論点がどのように問題化されるかを確認し、問題形式に慣れておくこと
  3. テキスト上に記載のない論点を記憶すること


 私は、勉強の大半はあくまでもテキストの読込みに時間をかけるべきであって、過去問ではないと考えています。それ故に、時間を要する問題集は、あくまでも補助的な位置づけとして、できるだけ効率的にこなしていくべきものですが、5肢で構成された過去問集よりも、肢毎の肢集の方が、私が行ったテキスト中心の勉強により適していると考えています。
 それは、5肢の過去問集の場合、肢の中に正直覚えなくてもいいような論点が含まれていたり、また重複する論点の肢があるなど、無駄な作業が生じてしまうのに対し、肢別の問題集では、肢毎に明確な論点があり、覚えなくてもいいような論点の記載もなく、また重複論点も基本的にないからです。
 なお、初学者の方で、全く司法書士試験の問題に触れたことがない方であれば、本試験と同様の5肢の問題に慣れておくことも有意義であると思います。ただし、本試験においては、あくまでも肢単体ごとに正誤を判断すべきであることを考えると、肢別の問題集であっても、理解度の確認をするという側面からは、十分であると思いますし、中級者以上の方であれば、既に本試験の問題形式には慣れていることが多く、さらに予備校生であれば、答練で5肢の問題を相当数解くことになるため、予備校とは別に行う問題集においても同様の形式に拘る必要は尚更ないと考えます。
 本書はいわゆるポケット版なので、その形式から、本当に合格に足り得る問題集なのかと思われる方もいるかもしれません。確かに、本書の民法編における問題数(総肢数)はおよそ2,400題(肢)ですが、例えば、私が初年度に用いた2012年度版TACの過去問集の民法編の問題数は700題弱、すなわち肢に換算すると3,500肢となり、数字だけで見ると問題数が少ないようにも思えます。しかし、前述の通り、市販の5肢の過去問集の場合は、過去の本試験の問題をそっくりそのまま移行しただけである場合が多く、そのため重複論点も相当数あり、また、覚える必要がない論点の肢が問題に含まれているため、実際の問題数の差はそれほど大きくないのが実情です。くわえて私の場合、あくまでも市販問題集は、テキストおよび答練といった予備校講座を補完するものとして捉えていたため、2,400題という問題(肢)数は必要十分に感じました。
 また、本書の解説は非常にあっさりとした内容となっています。したがって、他の問題集のような詳しい解説と比較すると、説明不足で分かりにくいと感じられる方もいるかもしれません。しかし、これについても、私の場合、あくまでもメインはテキストであり、テキストで論点を理解及び記憶した上で過去問に取り組んだため、解説が少なくとも何の問題もありませんでした。仮に間違えた肢があったとしても、答えを見れば既にテキストで勉強済みの論点を思い出すことが多く、論点の理解が不十分であれば、テキストに戻り確認をすればよいだけでした。問題集で論点の理解をする必要性は基本的になかったのです。辰巳予備校の松本氏のブログで、「基本的に解説は読まない」という記事がありましたが、そこまでストイックになる必要はないとしても、過去問の使用に関する氏のこの意見には同意できる部分があります。またテキストに記載のない論点が出てきた場合ですが、概してそのような論点は瑣末な論点であることが多く、ほぼテキストで論点は網羅していることが前提である以上、むしろ単純暗記で覚えてしまっても問題はなく、こちらも特に支障は生じませんでした。
 参考:司法書士超短期合格法研究ブログ「過去問の使い方」
 本書は、私の様に、テキスト中心の論点を覚えることで、本試験に臨もうとされている方にとっては、非常に効率的な学習ができる書籍です。無駄に時間を取られることなく、問題化された論点を確認できます。
 一方、初学者の方で、特に独学者の場合、テキストの論点を全て拾い上げる作業は、実際のところそう簡単ではありません。また、テキスト上では十分な理解を得られず、解説が詳しい他の問題集を選択しそこで論点を確認することが効果的なこともあり、必ずしも本書は適当とはなり得ない場合があります。
 初学時は、論点を記憶することよりも、理解を中心に勉強を組み立てていくべきですが、テキストのみでは理解が得られず、問題集をやることで理解が明確になることも確かにあり得ます。市販のテキストの場合、予備校テキストに比べると、記載論点が不十分な側面があると私は感じていますが、そうした側面からも、解説がしっかりとした問題集でテキストに記載のない論点の理解を深められる場合があるからです。
 ただし、初学者の方でもあっても、理解が進み、いざ本試験を受験する際には、あくまでも論点はテキストで確認をし、記憶すべきであり、過去問等は合格のための中心的な教材になり得ないという考えは変わりません。あくまでも、過去問に頼って理解を深めるという勉強方式は、理解力に不足のある初学時のみにすべきであり、本試験に合格するためには、そうした勉強法からテキスト中心に理解をし、論点を記憶する勉強に切り替える必要があると考えています。
 そう考えると、いわば肢集とは、中級者以上の受験者が、テキストを中心として理解をした論点を確認するための書籍であるということができます。その意味では、限定的な側面がある書籍ではありますが、学力が一定以上ある複数年受験者にとっては、効率的な勉強の助けとなり、大きな効果を発揮する書籍でもあります。

 なお、LECの肢集は、全冊揃えると結構な額の出費となりますが、LECにおいては頻繁に色々な割引をしていることが多く、それらを上手く使えば、若干金銭的な負担は軽減できるかもしれません。いずれにしろ、巻によっては3,000円を超えるなどポケット版の割には高めの価格設定ですが、値段分の価値はあると思います。一点欠点を挙げるとすれば、見開き状態で、左頁に問題、右頁に答えが記載されているため、問題を読むときに気を付けないと、右側の答えが見えてしまうことでしょうか。

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LEC択一過去問肢集 雑感” に対して2件のコメントがあります。

  1. スク水が好き より:

    記事にまでして頂いてありがとうございます!
    (気付かずに先程もとの記事にもコメントしてしまいました;)
    具体的な活用方法、非常に分かり易かったです。
    合格ゾーンと肢集を上手く併用させ、合格を勝ち取りたいと思います!

  2. @40 より:

    >スク水が好きさん
    こんにちは!
    いえいえ、このようなブログを書いていると、読んで頂いている方の疑問に気づかない場合もあるため、むしろこちらこそありがとうございました。
    是非、良い結果を得られることを願っています。
    頑張ってください!

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