【司法書士試験】通期スケジュール

合格のためには、テキストの読込みが基本です。

下記は私が実際に行った勉強のスケジュールです。見ていただくと分かると思いますが、年内中は問題集に手をつけておりません。私が年内に行ったのは、LECのテキストを何度も何度も読込むという作業と、基本的な記述問題を不登法・商登法それぞれ約50問ずつ解いただけです。

通期スケジュール

 実際に問題を解き始めたのは年明けからです。毎週行われるLECの答練を受講し、くわえて市販の問題集(LECに申し込んだ際に無料で貰った過去問の肢集)を用いました。
 年内に問題に全く手を付けなかった理由ですが、平成24年度の試験に不合格になった際に、例えば「宅建」などのような過去問中心の勉強だと合格するのは難しいと感じたからです。
 もちろん、司法書士試験には過去問の類似問題も出題されます。中には過去問と全く同じといってよい問題も存在しますが、過去問と同様の知識を問う問題であっても問い方が異なるなど、しっかりとした基礎理解が無いと誤って解答してしまうような問題も多く存在します。
 それ故に、基本書たるテキストをしっかりと読込み、理解を深めることが重要だと考え、年内においてはテキストを講義で使用するだけではなく、繰返し読み返すように努めました。
 年明け後からは、前述の通り、LECの答練等により問題をこなしていきましたが、テキストの読込も継続し、むしろ年内に比べるとより一層深く読込むように心がけました。年内の読込み時には、暗記するまでには至りませんでしたが、年明け以降は理解するだけでなく、テキストに記載された知識を全て暗記するように努めました。
 こうした個別の勉強法については、また後日述べますが、ここで申し上げたいのは試験当日に記憶がピークになるようにもっていくことが重要であるということです。当たり前のことと思われるかもしれませんが、1ヶ月前にいくら知識を覚えていても、試験当日に記憶が継続していないと意味がありません。
 司法書士試験が難しいとされているのは、その内容もそうですが、むしろ覚えるべき情報量が膨大であることにあります。1度暗記したつもりでも次に同じ所を勉強すると記憶がぼやけている、こんな経験は受験生であれば誰しも経験します。結局のところ、本試験において今まで覚えた記憶を明確化するのは、できるだけ直前期に全ての分野に目を通し、記憶を継続化するしかありません。
 直前期に全ての分野に目を通し記憶を明確化するために、私が行ったのは、全てのテキストを直前期の2週間で何度か繰返し読むことでした。目安として、3日程度で全テキストを読み、終わったらまた繰り返すことを試験本番まで続けました。これにより、試験本番においても明瞭な記憶をもって試験に挑むことができました。
 一般に、資格試験に限らず「試験」においては、間違えた問題を中心に復習するという勉強方法が、良く知られています。試験範囲が狭い「宅建」レベルの試験であれば、こうしたやり方でも十分対応可能ですが、範囲が膨大な司法書士試験の場合には、直前期にこのような復習のみで本番に挑むのはリスクが非常に高いといえます。
 人間の記憶は使わないとドンドン忘れていきます。私の場合は、2週間全く勉強しないとその範囲の知識は曖昧になりました。全く問題がなく理解し暗記できていたような論点でさえ、記憶がぼやけてしまい、問題を解く際に余計な時間がかかってしまうことがありました。これについても後日記事に致しますが、試験本番は時間との闘いでもあります。そのため速い時間で問題を解く能力も求められ、曖昧な記憶で試験に挑むのは、たとえ最終的に正解を導き出せるとしても、合格の可能性を下げるリスクとなり得ます。
 3日程度で全テキストを読むということは、1日あたり5冊程度のテキストを読む計算になりますが、言葉にすると簡単そうに聞こえるかもしれません。しかし、全テキストの総頁数を4000頁程度とすると、1日あたり1000頁強は読まなければならず、実は簡単なことではありません。また、直前期においては、記載された知識のほぼ全てを理解し暗記していることが前提ですが、このような読込みを行うためには、年内から何度も何度もテキストを読込み、年明け以降はテキストの内容を暗記するように努める必要があります。そのようにして初めて、直前期に3日程度で全テキストをほぼ完全に理解し、かつ、暗記した状態で読むことが可能となります。
 試験本番に記憶をピークに持っていくことは、当り前のことです。また、そのための方法は受験生それぞれで千差万別です。しかし、単に間違えた問題を復習するのみではなく、どのような方法にしろ、試験直近において、全範囲について再度目を通すことが合格するためには非常に有効だと考えます。

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【司法書士試験】通期スケジュール” に対して7件のコメントがあります。

  1. 時任 より:

    合格おめでとうございます!
    なるほど、とても参考になります。
    今後も詳細な記事をお願いします。
    >1日あたり5冊程度のテキストを読む計算
    実際にお読みになったテキストとは、「実践力PowerUP講座のテキスト」ですか?
    よろしくお願いします。

  2. @40 より:

    ありがとうございます!
    そうです。実践力のテキストを最後の2週間は5冊程度読みました。
    但し、一字一句しっかり読むのではなく、記憶を継続するために、読み流す、速読のようなイメージです。

  3. ヨッパ より:

    初めまして。司法書士試験に挑戦しようと考えている者です。
    因みに1年半ほど行政書士試験の勉強をしてきました。行政書士試験の勉強方法は過去問とオリジナル問題を何十回も回して合格ラインに行けた感じだったので、司法書士試験も同じような勉強方法を考えていた所、こちらのブログを偶然見つける事が出来、実践してみろうと考えております。
    そこで、いきなり質問させて頂きたいのですが、予備校 はLECの15ヶ月初学者講座を考えております。テキストはブレークスルーと言われるものです。LECに直接電話をして問い合わせてみたのですが、@40さんの利用された講座の実践力パワーアップ講座のテキストと比較してやはり初学者向けのテキストと言う事もありページ数もかなり多いそうです。民法だけで4冊だとか言っておりました。
    自分も直前期には@40さんのやられたテキストの読み込みを中心に考えているのですが、こう言った初学者向けのテキストでも数十回という読み込みは可能でしょうか?
    それとも初学者だけど、@40さんの利用された実践力パワーアップ講座を受講して同じテキストを使用した方が良いでしょうか?
    お忙しい所申し訳ありませんが、お時間の取れる時にでもよろしくお願いします。

  4. @40 より:

    >>ヨッパさん
    コメントありがとうございます。
    返信遅れて申し訳ありません。
    初学者用のテキストであっても、読込みは可能だと思いますが、情報量が多い分、繰返し読む際の取捨選択が難しいのは間違いありません。
    中級者用の講座のテキストの方が読込みには適しているのは間違いありませんが、ヨッパさんが既にブレイクスルーで勉強されており、そのテキストを用いているのであれば、既にお使いのテキストを使用した方がよいかもしれません。
    少なくとも、平成28年の試験で合格される希望を持たれているのであれば、今使っているテキストから年明けにテキストを切り替えるのはなかなか困難ではないでしょうか。

  5. こま より:

    はじめまして。2年目で実践力を受講しているうまと申します。
    @40さんの記事はとても参考にさせていただいており、またいろんな方に丁寧に返信なさるコメントもなるほどと思いながら読んでいる次第です。
    ところでひとつお聞きしたくコメントをしたのですが、超直前期に読み込んだテキストというのは、実践力のテキストの中でも、たとえば「メジャー科目のみ」というように限定があったのでしょうか??
    とても気になっているところなので、教えていただけたら幸いです。

  6. 匿名 より:

    >こまさん
    コメントありがとうございます。返信遅れてしまい申し訳ありません。
    直前期に読むテキストは、テキスト全ページです。わかりきった論点であっても、記憶を明確にするために、さっとは目を通していました。
    マイナー科目の、刑法、司法書士法なども同様でした。

  7. こま より:

    お返事ありがとうございます!
    なるほど、やはり網羅的に明確な知識を取りこぼしなく、というかたちなのですね。
    了解しました!
    ありがとうございますm(_ _)m

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