司法書士試験受験生による行政書士試験の受験

行政書士試験

 先月の8月27日は、令和3年度の行政書士試験の出願締切日(郵送の場合)だったようです。試験は11月14日に実施されます。

 私は、平成24年の行政書士試験を受験し、合格することができました。行政書士試験の合格発表は、年明けの1月下旬となります。本ブログのプロフィール上に、平成24年合格と記載していましたが、本投稿をするにあたり、私の合格年は、正しくは年明けの平成25年(受験は平成24年)1月であると気づきましたので、訂正しておきます。

 正直なところ、当時は、あくまでも司法書士試験がメインであり、行政書士試験はプラスαで受験したというのが本当のところです。したがって、少し記憶が明瞭ではない面がありました。

 本年度、行政書士試験を受験をする方の中には、平成24年当時の私のように、司法書士試験受験後、基準点を下回り、結果が厳しいことが予想され、来年度に向けて勉強されている方もいれば、基準点を大きく上回り、合格可能性が高い方もいるでしょう。

 いずれにしても、行政書士試験と司法書士試験は、同一の民法、憲法、会社法が試験科目であることからも、同じ時期に受験する方も多いと思われます。

 他の方のブログでも同じような意見を拝見しましたが、司法書士試験の勉強を0から始めた初学者の方以外であれば、今、司法書士試験の勉強期間中に、行政書士試験も受験し、かつ、合格することは十分可能です。というより、むしろ、司法書士試験の受験中にこそ受験すべきであり、この時期に受けない理由がないとすら感じます。

 0からの初学者の方であっても、受験し、合格することはもちろん可能ですが、まだ司法書士試験の論点への理解が不十分な段階で、他資格試験における重複科目の論点(つまり、民法、会社法のことですが)を勉強すると、行政書士試験のそれら科目の論点の説明は、少し不十分な記載も多く、結果的に司法書士試験の民法、会社法の理解が損なわれる可能性もあり、その点は留意すべきかもしれません。

 行政書士試験のレベルは、司法書士試験のレベルに大きく劣ります。特に民法、会社法については、司法書士試験の勉強をしている方であれば、行政書士試験用に勉強することすら不要なはずです。もちろん、行政書士試験の問題形式に目をとおしておくことは必要ですが、この2つの科目については、司法書士試験の勉強を一通りしている方であれば、時間をかけて勉強する必要は全くありません。

 さらに、もし、8月スタートの中級者以上の司法書士予備校講座を受講している方であれば、民法、会社法については、まさに8、9、10月あたりで勉強するカリキュラム構成となっており、両分野の知識も明瞭なはずですから、尚更、行政書士試験のために、それ以上の勉強をする必要はないでしょう。

 言い換えれば、もし、民法、会社法において、行政書士試験のための勉強をせずに点数を獲得できるのであれば、この司法書士試験勉強中(あるいは試験後)に、行政書士試験も受験すべきです。一方、民法、会社法につき、別に行政書士用のテキストを読む必要があるのであれば、今年の段階で合格することにこだわらずに、来年、司法書士試験後に、再度受験することでもよいかもしれません。

 いずれにしても、来年の司法書士試験を受験する方であっても、本年度司法書士試験に合格する可能性が高い方であっても、まだ民法、会社法の試験知識が明瞭なうちに、行政書士試験も受験してしまうことは、非常に効率的だと考えます。

行政書士試験

 

 行政書士試験の勉強に費やす期間ですが、もし、司法書士試験受験生でないのであれば、一般的な話として、2~3か月程度は見ておくべきかもしれません。しかし、司法書士試験受験生であれば、ここまでの期間はかかりません。

 9年前のことなので、当時の記憶が明瞭でない部分もありますが、私は、行政書士試験の受験に際し、実際に身を入れて勉強した期間は1か月ほどだったと思います。

 2013年に投稿した以下の民法、会社法の勉強法の投稿で、民法の勉強はテキストを読むべきと述べています。司法書士試験の勉強をしていない方なども対象としている投稿のため、そのような内容で記載していますが、実のところ、私は、民法、会社法については、行政書士試験のテキストをほとんど読んでいません。

2013年投稿「民法、会社法の勉強方法(行政書士)」

 1か月間の勉強期間は少ないと感じるかもしれませんが、私は、これを決して短い期間だとは思いません。司法書士試験の勉強をしていれば、前述のとおり、民法、会社法を除いた行政法と一般知識を中心に勉強するだけで済みますから、その程度の期間でも十分合格可能となります。

 司法書士試験受験から日数が経てば経つほど、受験知識は失われていきます。もし、私が、今、あらためて行政書士試験を受験するのであれば、行政書士試験用のテキストの民法、会社法分野を精読する必要があります。おそらく、1か月の勉強期間ではとても足りないでしょう。

 当時の私においては、最大の目標が司法書士試験合格である以上、いくらまだ年内だからといって、数か月以上行政書士試験に比重を傾けるよりも、むしろ短期集中で勉強し、仮に不合格であっても、また来年受験すればいいくらいの気持ちだったような気がします。

 また、以下の投稿でも述べたとおり、行政書士試験は、一般知識問題による運要素が強く、時間をかければ点数を取れると言い切れない面もあります。

2013年投稿「行政法、一般知識の勉強法(行政書士)」

 行政書士試験合格が最大の目標であれば、もっと時間をかけて勉強に取り組むべきですが、上記のような運要素の側面もあることから、もし当時の私と同様に、行政書士試験受験が、あくまでも司法書士試験受験のプラスαであれば、行政法と一般知識について、1か月程度、特に重点的に勉強することで済ませ、司法書士試験の勉強に影響が出ない程度に留めておくべきと考えます。

 ちなみに、私の平成24年11月頃の司法書士試験の学力は、中の下か下の上あたりであったと、これまでブログに何度か記載していますが、その程度の学力でも、民法、会社法については、行政書士試験のテキストすら読まず、過去問を少し触った程度である程度の点数を獲得できています。

 既に本年度の司法書士試験の基準点を上回り、合格している自信がある方であれば、今から2か月位身を入れて行政書士の勉強をすることもありかもしれません(ただ、おそらく2か月は長すぎるでしょう)が、他方、来年度に司法書士試験を受験される方であれば、当時の私の学力(トップページ平成24年度の択一試験結果をご覧ください)でさえ、民法、会社法は勉強せずに、点数が取れる程度であることを知っていただき、それ以外の行政法、一般知識(色々な意味で、これがなかなか面倒な分野ですが)を、重点的に勉強されるのが宜しいと思います。

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