【三国志】中国ドラマ【Secret of Three Kingdoms】

中国

 年末から正月にかけて、コロナ禍ということもあり、アマゾン等でドラマを見ていました。といっても、結構なヘビーユーザーであるためか、有名どころのコンテンツはほぼ見尽くしている感もあり、なかなか腰を据えて見ようという映画やドラマ、又はアニメもすでになく、仕方なく以前少しだけ見た「三国志 Three Kingdoms」を見ることとしました。

 若い頃から結構な歴史好きで、これまで日本のみならず中国などの歴史小説を多く読んでいます。当初は、光栄(現コーエーテクモ)の初代「三国志」をプレイし、中国の歴史に興味を持ったのがきっかけでしたが、吉川英二の「三国志」などは何度も繰返し読み、マイナーどころである春秋戦国時代の小説なども多く読んできました。

 吉川英二の三国志は、中国の「三国志演義」が元であり、「三国志 Three Kingdoms 」はこの三国志演義をドラマ化したものです。そのため、ストーリーは、ほぼ吉川英二の三国志そのままで進んでいきます。先が気になるドラマというよりも、勝手知ったる三国史の世界を楽しむドラマといえるでしょう。

 知っているストーリーが展開されるだけですので、ハラハラドキドキはしませんが、それでも中国のドラマは、莫大な製作費をかけているだけあって、戦闘シーンなどはもちろん、通常セットなども、日本の大河ドラマなどど比べるべくもないほど豪華で、圧倒的な迫力があり、視聴者の没入感を高めてくれます。

 年内中は、当初期待していた以上に、楽しむことができていたのですが、大晦日が明け、本年になり、途中からまた見ようと思ったところ、どうやら、アマゾン「プライム」枠をはずれてしまったようで、サブスク料金内で視聴することができなくなっていました。

 さて困ったぞということで、仕方なく見ることとしたのが、「三国志 Secret of Three Kingdoms」です。中国語の原題はまた違うようですが、邦題にすると「 Secret of 」が付いただけで、紛らわしいことこの上ないのですが、内容は全く違うドラマとなっています。

三国志 Secret of Three Kingdoms

 このドラマの存在は、アマゾン番組表上のサムネイル画像も目立つこともあり、結構前から知っていましたが、視聴することを敬遠していました。正直、つまらなそうと思っていたのです。

 私にとっての三国志は、やはり、吉川英二の三国史であり、おそらくフィクションであろうこの作品(三国志演義自体もフィクションといえばフィクションですが)を見ても、荒唐無稽な話が展開され、興味を惹かれることはないだろうと考えていたからでした。

 ところが、視聴を開始してみると、確かに荒唐無稽なフィクションではありますが、久々にはまった海外ドラマとなりました。全50話を超える長編ドラマで、今、40話程度を見終えた状況ですが、先が気になり、どんどん視聴してしまうことから、おそらく今月中には見終えることでしょう。

 

 ストーリーの大枠は、後漢の献帝(劉協)に、実は双子の弟がおり、その弟が、ひそかに、亡くなった劉協の代わりとなって、漢の再興を目指すというものです。この弟は、司馬家で育てられていたため、三国志で有名な司馬懿が味方として登場します。

 司馬家出身である自分の出自や劉協の身代わりとなったことを隠すことができるかが序盤のストーリーの肝です。視聴者は、身元がバレそうでバレない展開にハラハラすることとなります。10話あたりまでは、ストーリー構成の巧みさ故に、一挙見してしまう人が多いでしょう。

 三国志を知らなくても楽しむことはできますが、やはり全く知識がない場合には、楽しみが半減してしまうのは事実です。各人が知っている三国志の世界感を崩すことなく、そこにフィクションを融合しているわけですが、ひょっとすると実際にありそうなストーリーが視聴者の興味を惹き付けます。

 三国志好きのほとんどが、演義の影響もあり、劉備の蜀贔屓であると思います。私もご多分に漏れずそうで、司馬懿 というと、諸葛亮の相手方であるに過ぎず、後の西晋の礎を築いた偉大な人物ではありますが、そこまで感情に訴えてくる人物ではありませんでした。しかし、このドラマ上の 司馬懿 は、非常に魅力的で、私のようなマイナスイメージを 司馬懿 に持っている人でさえ、違和感なく楽しむことができます。実際、これまでの 司馬懿観を変えるものとなりました。

 また、本ドラマのキャストは、中国を代表する美男美女が努めています。視聴開始時には、そうした特徴は知らずに、後日それを知ったのですが、確かに言われてみれば出てくる主要キャストは美男美女ばかりです。個人的には、こうした傾向は好きではありませんが、各役者の演技力は非常に高く、そうした美男美女ドラマであることさえ忘れてしまいます。上辺だけのドラマにありがちな容姿負けしていることもありません。

 各登場人物のイメージに沿うような配役も見事です。この辺りの感じ方には個人差があるでしょうが、主人公を筆頭に、司馬懿 、伏皇后、曹丕、曹操などもイメージを壊すことない配役です。特に荀彧、郭嘉などは、なかなかこれ以上の配役はないようにさえ感じます。賈詡だけは、さすがに年を取りすぎな気もしますが。

 身バレすることなく、漢を再興できるかどうかを軸に、曹操を筆頭とする魏の重臣達や漢の忠臣との間で、様々な人間関係が展開されます。時には、三国志らしく、相手方を欺いたりする場面もあり、ちょっとしたミステリードラマの側面もあります。また、主人公や司馬懿の恋愛要素もあり、こうしたドラマにありがちな展開は、ちょっと個人的には食傷気味な部分なのですが、ストーリー上は恋愛要素も一応意味のあるものとなっています。女性視聴者であれば、尚更楽しめるかもしれません。

 若干、展開に無理があるような場面や突っ込みたくなる場面もなきにしもあらずですが、それでも、気楽に楽しめる秀逸なドラマであることには変わりありません。三国志好きなら結構楽しめますので、お勧めです。

 ところで、このドラマを見て、久々にまたコーエーの三国志をやりたくなりました。いつも劉備陣営ばかりでプレイしていましたが、劉協で漢再興を目指すのもよいかもしれません。

レビュー

★★★★☆ 4点/5点中

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