開業時のお勧め登記書籍

書棚

 先日のブログで、開業時に20万円分位の書籍を購入した旨を投稿しましたが、今振り返ると、実はそこまで費用をかけて揃える必要もなかったと感じる部分もあります。購入したものの、実務においてほとんど使用していない書籍もあります。

 専門書というのは、数千円以上するのが普通ですから、開業時に諸々の出費が必要となる中で、最初から多くを揃える必要もなく、追々購入していけば十分かもしれません。私の場合、当時は、どの書籍が必要なのかもよく分からず、とりあえず必要そうな書籍は揃えておこうという気持ちが優先していた記憶があります。

 購入した書籍は、一部を除いてほぼ目を通しましたが、どんなに有用な書籍であっても、継続的に使用しない限りは、内容も忘れていってしまうのが実情です。したがって、開業時は、実務で使用する頻度が高いものだけを揃えて、あとは、その時々に応じて購入することでも十分かと思います。必要があれば、後日、AMAZONで1日位で取り寄せもできます。

 以下で、私が、これまで購入した書籍のうち、開業時に揃えていた方がいいと思う書籍を、数点ご紹介いたします。おそらくどの事務所にもある書籍だと思いますが、開業時に少なくとも以下の書籍があれば、まずは事足りるかと思います。

 書籍の種類は膨大です。例えば、仮登記について悩まれれば仮登記関係の書籍を購入されるでしょう、遺言執行について悩まれたら遺言執行関連の書籍を探されることでしょう。おそらく、開業後、そうして書籍数は増加していくと思いますが、どの書籍であっても各事例において業務の助けになるのは間違いありません。もしかすると、開業後の最初の業務が債務整理かもしれません。その場合は、以下の書籍よりも債務整理関係の書籍を購入した方が有用なのは明らかです。

 したがって、以下の書籍は、開業時において、私であれば最低限以下を選択する程度のものに過ぎません。また、私は登記業務がメインですので、登記関係書籍の中からご紹介したいと思います。選択にあたっては、開業時に、登記業務、裁判業務、成年後見業務等のどの業務を行うしても、おそらく後日購入する可能性が高いと思うものを挙げています。

開業時に購入しておくとよい書籍等

登記秘書INTERNET/LIC
(登記研究/テイハン、登記情報/きんざい)

 いきなり書籍ではなく申し訳ありませんが、「登記秘書INTERNET」は、Web上で、過去の登記研究/テイハン、登記情報/きんざいに記載された現在までの記事及び質疑応答などを検索することができるサービスです。LICという会社が運営しています。どうもあまりリンクを張るのは、昨今宜しくないようなので、右クリックコピーで検索して頂ければ。LICのHPはすぐ表示されるかと思います。

 これは、つい数年前位から開始されたサービスで、登記研究の購読者は、サービス開始時から一定期間までキャンペーン料金が適用されましたので、当初から利用を開始しました。要は、司法書士用のサブスクです。登記研究を購読していない場合も利用できると思われますが、契約の詳細等は個別にLICに問い合わせてみてください。

 なお、LICのHP上の説明によると、記事のデータ化は、発行6か月経過後から逐次行われるようで、直近の登記研究や登記情報の記事をすぐ見ることはできません。したがって、登記研究などもセットで購読すると、より業務に役立つと思います。登記研究、登記情報は、年額でともに1万円強だったと思います。

登記書籍

 

LIC

 これまで、先例等を確認するためには、テイハンの「不動産登記関係質疑応答集」、新日本法規の「先例・判例要旨集」などを逐一確認する必要がありました。質疑応答集等はページが膨大なこともあり、目当ての先例等を見つけるまで時間を要することが多くありました。しかし、登記秘書INTERNETは、単語で検索すると、その該当記事が表示されますので、確認すべき先例などを見つけることが容易になり、随分業務効率が向上したと感じます。

 これから開業される方にとっては、先例や質疑応答と言われてもあまりピンとこないかもしれません。不動産登記法の試験分野で、質疑応答等は目にされたことがあるかと思いますが、実務においては、不動産登記法及び関係法令以外にも、こうした先例や質疑応答または民事局通達などが、登記申請手続において重きをなしています。よって、このサービスのように、簡単に検索できるシステムがあるとないとでは大きな差が生じます。

 個人的には非常に気に入っているサービスですが、他社で同じようなサービスあるいは先例等を収録したDVD等のソフトもあるようですから、同様に検索できるシステムが他にあれば、それでも十分かと思います。

不動産登記申請マニュアル&商業登記申請マニュアル/新日本法規

 新日本法規の加除式書籍です。登記関係でいうと、同じ新日本法規の「不動産登記総覧」及び「商業登記総覧」、テイハンの「不動産登記書式精義」及び「商業登記書式精義」が著名です。総覧あるいは精義というだけあって、基本的な事項から応用までを網羅した内容が特徴であるのに対し、「不動産登記申請マニュアル」及び「商業登記申請マニュアル」は、実務で少し判断に迷うような事例を中心に構成された書籍です。

 試験に合格されたのであれば、基本的な知識は既にご存知なわけですから、全てを網羅している総覧等よりも、より具体的な事例に即した書籍の方が有用だと考えます。もちろん、予算に余裕があるのであれば、総覧等も揃えてもよいとは思いますが、開業時に少しでも書籍代を抑えたいのであれば、これら登記申請マニュアルだけでも、当座のところ購入しておくと、役に立つと思われます。

登記申請マニュアル

不動産登記添付情報文例集/新日本法規
元登記官からみた 登記原因証明情報(青木登)/新日本法規

 どちらも新日本法規が出版元です。前者は加除式で、後者は通常の書籍です。

 不動産登記中心に業務を行うのであれば、開業後、登記原因証明情報の作成にあたり、検討に時間を要する場合もあるかと思います。また、他の業務に付随して、登記業務が発生し、登記原因証明情報を作成する場面もあるでしょう。

 これら書籍には、事例別の登記原因証明情報文例が記載されています。予算に余裕があれば、両方購入してもよいでしょうが、どちらか一方ということであれば、後者の青木登さんが著述した書籍がよいかもしれません。元登記官からの視点による解説がなされており、より実践的です。

添付情報文例

登記名義人の住所氏名変更・更正登記の手引(青山修)/新日本法規

 この書籍を持っていない司法書士はいないと思います。住所変更等登記のベストセラーです。『住所変更登記 書籍』で検索すると、本書しか出てきません。つまり、本書が必要十分なため、他の書籍が執筆されていないのでしょう。

 登記業務においては、上記4点で、開業時においてはまず十分かと思います。もちろん、上記はあくまでも多数ある書籍のうちの極々一部に過ぎません。実をいうと、テイハン「法人登記書式精義」や新日本法規の「利益相反行為の登記実務」(青山修)あるいはきんざいの「動産・債権譲渡登記の実務」(日司連)あたりも記載しようかなと思いましたが、きりがなくなってしまうので上記のみに留めました。特に書式精義は高額なので、宗教法人やマンション管理組合法人など、具体的な事例に遭遇した際に購入すれば十分かもしれません。

 また、意外と多くの司法書士事務所にあるのが、「商業登記ハンドブック/商事法務」です。私は、購入していませんが、あれば有用かもしれません。

その他

 上記以外で必要な書籍を2点だけ記載します。別投稿でお伝えしようかと思っておりましたが、こちらに追記します。

 以下の書籍は、登記書籍ではありませんが、購入しておく方がよいと思います。特に開業時は色々と悩まれることも多いと思うので、尚更必要となる場面も多いでしょう。むしろ、必須といってもよいかもしれません。

司法書士の専門家責任(加藤新太郎)/弘文堂
簡裁訴訟代理等関係業務の手引(日司連)/日本加除出版

 「簡裁訴訟代理等関係業務の手引」は、特別研修において、必読図書に選定されているはずですので、既に保有されていると思います。

 「司法書士の専門家責任」も、司法書士としてどのような姿勢で執務にあたり、どのような状況に気を付けるべきか等につき、説明がされており、実務においても、対応に悩まれた際などに参考になります。

 実は、開業時に悩まれるのは、実際の手続作業よりも、専門家としてどのように業務に対すべきか、あるいは、依頼者とどのように向き合うべきかという点かもしれません。司法書士法などの関係法令等でどのように職務について規定され、専門家としてどのように振舞うべきなのかにつき理解をしておくことはとても重要です。先日のブログの後半でも投稿しましたが、司法書士としては、こうした価値観を持ち執務にあたることが私は今後とても重要だと考えています。それにより、司法書士全体の意識も向上し、結果、他の資格業とも差別化ができ、司法書士全体の社会的ニーズも向上すると考えるからです。

 冒頭で述べたように、開業後の業務によっては、他に購入すべき書籍がある場合もあるでしょう。個々人によって、必要となる書籍は、その業務により左右されますので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

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