管轄外支店がある場合の管轄外本店移転登記

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 商業・法人登記は、不動産登記に比べてオンラインによる申請比率が高いのが現状です。ほぼ全ての司法書士事務所において、申請用総合ソフト又は民間ソフトを使用した申請が行われていると思いますが、そうしたオンライン申請時、システム上の問題から悩むことがたまにあります。

 先の投稿のように、先例や実体法上の話ではなく、あくまでも事務処理上の問題ですが、実務をしていると、たまにそうした事例に遭遇します。大抵はそうした問題点は普通にクリアされ、申請が完了し、時間の経過とともに忘れてしまうことが多いのですが、ちょっと備忘録的な意味からも記載します。

 先日申請した事例の概要は以下のとおりです。

「本店をA市からC市に移転する」

旧本店:A市(管轄法務局A)

支 店:B市(管轄法務局B)

新本店:C市(管轄法務局C)

 

 申請自体は、難しい申請ではありません。旧本店を管轄するA法務局を経由して、C法務局に対し本店移転の登記を申請するだけです。申請用総合ソフトには、本店を管轄外に移転する場合の経由申請用のフォームが用意されているため、それを使用して申請することとなります。

 ところで、本店移転ではなく、支店移転等の場合は、「本支店一括申請」を行うことができます。例えば、B市の支店をD市に移転する際は、A法務局に支店分一括申請を行うことで、B及びD市管轄法務局にもその旨が通知され、B及びD法務局に別途申請する必要はありません。

 この場合も、申請用総合ソフト上で、本支店一括申請専用のフォームを使用することとなります。

 今回の事例のメインは、当然に本店移転となりますから、何度か過去に申請した管轄外本店移転登記申請と同じように、ソフト上の所定の申請フォームに必要事項を打ち込んでいきました。ところが、通常の旧本店経由申請フォームには、支店に関する項目を入力する欄がありません。また、支店管轄分の登録免許税及び手数料を入力する欄もありません。

 本支店一括申請を行わない場合、本店移転を本店を管轄する法務局に申請しても、その変更を支店管轄法務局は確認できないため、支店管轄法務局に対して、別途変更の登記を申請する必要があります。私が司法書士になる遥か以前、まだ本支店一括申請がなかったころは、支店管轄法務局に対し、別途申請をすることもあったようですが、今日においては、個別に支店管轄法務局に対し登記を申請することは、あまりないようです。

 「あれ、どうすればよいのだろう。」と色々試行錯誤していました。

 答えは簡単で、支店がある場合は、必ず本支店一括申請のフォームを使用するというだけの話でした。本店移転で経由申請をし、かつ、支店用に本支店一括申請を行うため、一瞬色々と考えてしまいました。

 本支店一括申請用のフォームを使用せずに、通常の経由申請フォームを使用し、備考欄などに、支店所在地や登録免許税の区分 などの不足分の情報を記載することでも、法令で定められた登記手続としては問題ないでしょうが、システム上は何かしらのエラーが出ることが想定されます。おそらく、支店への通知は、システム上、自動で通知されることになっていると想定されますが、それは本支店一括申請のフォームを使用する前提だと推測できるからです。

 よく考えれば当たり前の話でしたが、本支店一括申請のフォームを使用すると、今度は、通常の経由申請のフォームで記載される『経由有』の文言が表示されないことなどもあって、「この文言がないことで別のシステム上のエラーが出ないだろうか」など、ちょっと悩んでしまいました(ちなみに、実際の申請では、備考欄にその旨を手打ちで記入しました。下記の旧本店宛申請書画像参照)。

 念のため、事前に旧本店管轄法務局に確認したところ、もしエラーが出たらその時連絡すると言われましたが、申請後も特段連絡はなく、通常とおり登記は完了したこともあり、どうやら問題はなかったようです。これまでも、支店がある会社が他県等への本店移転をしたケースはあり、都度、管轄外本店移転の登記が申請されてきたはずですから、できて当然といえば当然かもしれませんが、システム上の問題は少しモヤモヤしてしまいます。

本店移転

 

 

 

 

 

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